たとえば大家さんは個人でアパートを経営されている方が多く、強く言うのは気が引けますし、「今度払います」と言われると淡い期待を持ってしまい、そのうち滞納分がどんどん増えていく…というケースが多いようです。
賃料を滞納するということは、もともと支払いが厳しいのですから、滞納すればするほど支払ってもらえなくなる可能性が高くなりますので、早い段階で手を打ったほうがいいでしょう。
まず、内容証明郵便で家賃の支払いを求め、支払わないときは賃貸借契約を解除します。
しかし、賃借人は解除しただけではなかなか明け渡してくれません。そこで、訴訟を提起して明渡しを求め、判決又は和解による解決を図ります。訴訟の途中で占有者が入れ替わると、判決や和解の効力が新しい占有者に及ばなくなってしまいますので、訴訟前に占有移転禁止の仮処分という手続をとる必要がある場合もあります。
判決が出ても又は和解で決めた明渡日が到来しても明け渡さない入居者に対しては、強制執行の手続をとることになります。
「内容証明郵便→占有移転禁止の仮処分→訴訟提起→強制執行」というフルコースの場合、ご相談から現実に明渡しを受けるまで、順調に進んでも4~5か月はかかります。
時間と費用がかかるのは事実ですが、だからといって賃借人が滞納賃料を支払ってくれるのを待っても滞納が増えるだけというのも現実です。従って、できるだけ早い段階でご相談・ご依頼いただくことで、賃料を支払わない迷惑な賃借人には明け渡してもらい、ちゃんと賃料を支払ってくれる新たな入居者を迎えることのほうが賢明でしょう。